小説好きの読書日記8
「僕らの世界が終わる頃」 彩坂美月
読みやすさ・・・・・・2.5点
作中設定・・・・・・・3点
展開・・・・・・・・・2点
登場人物の魅力・・・・1点
ストーリー・・・・・・2点
読んでみての感想は、作品に共感できる部分が少なく、個人的にはイマイチでした。
登場人物の印象が弱く、読んでいる時に「誰だっけ?」と思うことがちょいちょいあり、読み終わった後も主人公や犯人に魅力を感じませんでした。
登場人物全員が薄っぺらいせいか、ストーリーも霞んでしまい、作品、作者のメッセージも感じられなかった。
個人的には記者の方にもっと設定をつけて、重要人物として物語を進めていった方が面白くなったんじゃないかと思う。例えば、記者の人は打ち切りになった作品の作者だったとかにして、主人公の味方になるような立場になって展開していくとか。
でも事件の顛末のたまたまだっていうのは、嫌いじゃないし、中盤の展開は面白いと感じるところもあったので、気になった方は読んでみてください。
小説好きの読書日記7
「ドS刑事~井の中の蛙大海を知らず殺人事件」 七尾与史
ドS刑事シリーズ6作目。シリーズ累計55万部突破。
読みやすさ・・・・・・3.5点
作中設定・・・・・・・3点
展開・・・・・・・・・3点
登場人物の魅力・・・・4点
ストーリー・・・・・・3点
今作品でシリーズ6作目となりましたが、個人的にはちょっと期待外れの作品になってしまったかなと思います。
この小説シリーズの魅力は登場人物のキャラとミステリの謎解きだと思うのですが、今作品では微妙でしたね。
まず今回の作品では黒井マヤの過去に関わっていた人物が登場しますが、個人的にはいらないと思いました。6作目で出すなら、犯人か被害者として出し、すぐにフェードアウトさせるような感じにしてほしかった。
今後もシリーズに登場させていくかどうかは知りませんが、作者がどのような作品にしていきたいのかがよくわからないですね。あと、黒井マヤのキャラが少しブレているようにも感じました。
ミステリの謎解き部分ですが、驚くような展開はほとんどなかったです。舞台が豪華客船の爆弾テロということもあり、物語が数時間で終わってしまうので、展開が限られてましたね。
今回の作品のようだと読者離れが加速しそうなので、もう一度驚くようなミステリ展開を描くか、無理なら完結させたほうがいいような気がします。
デビュー作の「死亡フラグがたちました」から、買っている作者なので新規一転で頑張ってほしいです。
小説好きの読書日記6
「本と鍵の季節」 米澤穂信
「古典部シリーズ」作者のミステリ作品。
読みやすさ・・・・・・4点
作品設定・・・・・・・4点
展開・・・・・・・・・5点
登場人物の魅力・・・・3.5点
ストーリー・・・・・・4点
読み始めたときは、爽やかな謎解き青春小説かなと思っていました。ところが読み進めていくうちに、明かされる真実や展開は驚きでした。
「爽やかでほんのりビターな図書室ミステリ、開幕」と本の帯に書いてありましたが、個人的にはほんのりビターではなかったですね。でも良いアクセントでした。
「古典部シリーズ」でもそうですが、この作者の謎解きの仕方は上手いですね。心理描写もうまく使っていますし、展開の持っていきかたも上手い。
古典部シリーズで興味を持った方はもちろん、ミステリ好きな方も楽しめる作品になっているので読んでみてはいかがでしょう。
小説好きの読書日記5
「魔眼の匣の殺人」 今村 昌弘
「屍人荘の殺人」の続編。
読みやすさ・・・・・4.5点
作品設定・・・・・・4.5点
展開・・・・・・・・5点
登場人物の魅力・・・4.5点
ストーリー・・・・・5点
※5点満点での評価
「屍人荘の殺人」の続編ということで、めちゃくちゃ期待して読みましたが、期待を裏切るどころか、期待を遥かに上回る作品になってました。
個人的には今回の作品の方が面白いと思ってます。その要因としては登場人物の描き方が上手くなっているからかなと思います。登場人物の描き方が上手くなったことで、よりストーリーに磨きがかかりました。
読んでいて、こんな切ない思いになったことはありませんでしたし、展開も前作品同様に驚きの連続でした。もう、この作者の虜になってしまいましたね。
私は次回作が早くも読みたい気持ちでいっぱいです。みなさんもぜひ読んでみて、同じ気持ちになりましょう。
小説好きの読書日記4
「屍人荘の殺人」 今村昌弘
鮎川哲也賞受賞作。クローズド・サークルで起こるミステリー作品。
2019年に映画化決定。
読みやすさ・・・・・4.5点
作中設定・・・・・・4.5点
展開・・・・・・・・5点
登場人物の魅力・・・4点
ストーリー・・・・・4.5点
※5点満点での評価
私はこの作品を読み終わって、友達にオススメしまくりましたね。
展開がスピーディーで魅力あふれる作品になっていて、読み始めたら、止まらない。
私は展開が読めなさすぎて、驚きの連続でした。
読み終わった後、確信しましたね。私はこの作者の作品を買い続けるだろうと。
ネタばれになるので内容は話せませんが、アメリカの海外ドラマが好きな方は読んでみてください。ハマると思います。
2019年に映画化が決定しました。作品の内容的には実写化向けの作品だとは思います。作品は文句なしので監督、脚本、出演者の力量が問われますね。
映画でこの小説の評価を下げてほしくない気持ちが強いので、良い作品になってくれることを願います。
小説好きの読書日記3
「かがみの孤城」 辻村深月
2018年第15回本屋大賞受賞作。
読みやすさ・・・・・・4点
作中設定・・・・・・・4点
展開・・・・・・・・・4点
登場人物の魅力・・・・4点
ストーリー・・・・・・4.5点
この作品はマイナス要素がほぼないので、万人受けする作品だと思います。今まで、小説を読んでなくて、どれか読んでみようかなという人にオススメです。
斬新な設定や展開はありませんが、物語の見せ方が上手いので惹きつけられる内容になっています。親子関係、友達関係の心情が細かく描かれていたりするので、中学生か中高生の子供を持つ親御さんに読んでもらいたいと個人的には思います。
554ページと長編ですが、最初からラストまできれいにまとめてあり、読み終わった後、スッキリした気持ちになるので、ぜひ読んでみてはいかがでしょう?
辻村深月さんのデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」も面白いので、こちらもオススメです。
小説好きの読書日記2
「アリバイ崩し承ります」 大山誠一郎
ジャンル、ミステリー。一話完結型の小説。
読みやすさ・・・・・・・3点
作中設定・・・・・・・・2.5点
展開・・・・・・・・・・2点
登場人物の魅力・・・・・2.5点
ストーリー・・・・・・・2.5点
※5点満点で評価
読んでみての率直な感想は、確かにアリバイ崩しはよく考えられていましたが、物語の内容としてはイマイチといった感じです。
評価が低い理由としては、そのアリバイ崩しには無理があるというか、犯行を見ていないと説明できないのでは?と思ってしまうからですかね。
あと、「6話の時計屋探偵と山荘のアリバイ」の話が評価を大きく下げてしまった。
アリバイを見つけないと少年が犯人にされてしまうのでアリバイを見つけてほしいという内容だが、アリバイがないだけで最重要人物にされしまうのはおかしいのでは?
殺人の動機が少年にあるという描写があるが、肝心の殺人の証拠がないのに容疑を深めていくのは無理すぎる。もっと良いストーリー展開があったと思う。
個人的には評価の低い作品ですが、「5話の時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ」は面白いと思いました。アリバイの部分はもちろん、ストーリーも上手くできていて、こういう話を書けるなら、他の話もストーリーを練って欲しいと思いましたね。
今回は酷評をした形になってしまいましたが、あくまで個人的な感想です。アリバイ崩しがメインの作品ですので、評価が分かれる作品なのかもしれません。
気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。